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#ヤンパリ サマーシーズンパス導入編。
夏なのでヤンパリ達と遊ぶチビアズが思いで作るのも良いかなと思った。
※これは某モンスター育成バトルRPGゲームネタです。それっぽいだけです。
アズールが今旅をしている場所はコーラル地方という場所である。
大陸は高い山脈で隔たれ、奥は深い森が広がっているため、海側で町が発展していった半島である。名前の由来となった珊瑚は、交易品でもあるが、同時に複雑な海岸線と島が織りなす姿が海の中の珊瑚に似ているから地方の名前に成った、らしい。
転校生としてこの地方に来たアズールがその辺りの事を知ったのはごく最近である。
この地方では夏のバカンスシーズンはその特徴的な海岸のおかげで様々な地方から人々がやってくるため、沿岸部は観光客とそれを目当てに商売をしに来た人間達で溢れていた。
アズールの通うアカデミーには、夏休みという物は無い。長期に渡る研修がその期間をまたぐので、出席日数を調整すればいい、という事のようだ。
――大学みたい
ぼんやりとそんな事を考えていたアズールはもぞもぞと動くリュックを押さえ、空飛ぶタクシーで指定された場所へ向かっていたアズールは、眼下に広がるにぎやかなビーチの様子に思わずため息をついた。
ゆっくりと降下してタクシーは街の外れに停止し、アズールは外に出た。
人がいつもよりも多い気がする。
走り回る人々を道路の端で眺め、アズールは辺りを見渡した。
『どうしたの?』
『人混みは嫌いですか』
きゅいきゅいという音の合間にそんな声が聞こえ、アズールが押さえていたリュックの蓋が弾けて二匹のモンスターが顔を出す。
「そういう訳じゃないけど」
ぽん、と外に飛び出した二匹のモンスターはふわふわと漂いながら
「じゃあ早く行こうよー。アズールが言っていたお店屋さんごっこ、早くしよー」
「どんな物を作るか決めてるんですか?」
「うん、デザインは選べないみたいなんだけど」
地図を開き、アズールは方向を頼りに歩き出そうとするが、すぐに二匹に止められた。
「何?」
「帽子!」
「被らないとだめですよ」
「ええ……」
リュックから麦わら帽子を引っ張り出してきたジェイドは、アズールの頭に被せると満足して、ふわふわと先導するように移動した。
「こっちですね」
「なんでお前達が知ってるんだよ」
「そういうものなんだよー」
ふわふわ漂う二匹の後を追いかけ、アズールは石畳のカラフルなメインストリートを通り抜け、少し静かな浜辺の桟橋にたどり着いた。
「……ここ?」
「から、更に海を移動してあの無人島です」
「無人島って、誰も人来ないじゃないか」
「そこを、アズールとオレらで頑張ってぇ、評判良くしたりして客を増やして」
「島のビーチに遊びに来る人達を増やすというのが今回のミッションです」
小さな尾びれをぴちぴちさせながら、二匹は空中で泳ぐようにアズールの前で上下にパタパタと動き、手元の端末を指差した。
「なんでモンスターのお前達がそんなこと出来るんだ……?」
「僕達はアズールの最初のモンスターですから」
「相棒ってやつ。ナビゲートモンスターの役割もあるんだよー」
そう言うものだろうか。
アズールは思った物の、手元の端末を開いてアイコンをタップしながらチカチカと瞬いている「サマーシーズンパス」を表示させた。
ぱん、と画面に紙吹雪が舞い、「アイテムをゲットしました」「期間限定機能がオープンしました」「ミッションが追加されました」と、通知が瞬く間に一気に表示されていき、プレゼントボックス入っていたアイテムを受け取ると、ジェイドとフロイドはぽんと水上モードになって桟橋の脇に飛び降りた。
「さ、アズール。僕の背中に乗ってください」
「えー、この間もジェイドだったじゃん」
「フロイドは気まぐれにひっくり返りそうだから、溺れない場所でしてください」
アズールの一言に、ぷーっと不満げに膨らんだフロイドは、ぱっと小さくなってアズールの腕にしがみついた。
「じゃあオレアズールと一緒に乗る」
「え、自分で泳いでくださいよフロイド」
ジェイドが不満、という様子で尾びれをパタパタとさせるが、良いからさっさとしてくださいとアズールに言われると、しょうがないですね、と海の上を滑るように移動し始めた。
畳む
夏なのでヤンパリ達と遊ぶチビアズが思いで作るのも良いかなと思った。
※これは某モンスター育成バトルRPGゲームネタです。それっぽいだけです。
アズールが今旅をしている場所はコーラル地方という場所である。
大陸は高い山脈で隔たれ、奥は深い森が広がっているため、海側で町が発展していった半島である。名前の由来となった珊瑚は、交易品でもあるが、同時に複雑な海岸線と島が織りなす姿が海の中の珊瑚に似ているから地方の名前に成った、らしい。
転校生としてこの地方に来たアズールがその辺りの事を知ったのはごく最近である。
この地方では夏のバカンスシーズンはその特徴的な海岸のおかげで様々な地方から人々がやってくるため、沿岸部は観光客とそれを目当てに商売をしに来た人間達で溢れていた。
アズールの通うアカデミーには、夏休みという物は無い。長期に渡る研修がその期間をまたぐので、出席日数を調整すればいい、という事のようだ。
――大学みたい
ぼんやりとそんな事を考えていたアズールはもぞもぞと動くリュックを押さえ、空飛ぶタクシーで指定された場所へ向かっていたアズールは、眼下に広がるにぎやかなビーチの様子に思わずため息をついた。
ゆっくりと降下してタクシーは街の外れに停止し、アズールは外に出た。
人がいつもよりも多い気がする。
走り回る人々を道路の端で眺め、アズールは辺りを見渡した。
『どうしたの?』
『人混みは嫌いですか』
きゅいきゅいという音の合間にそんな声が聞こえ、アズールが押さえていたリュックの蓋が弾けて二匹のモンスターが顔を出す。
「そういう訳じゃないけど」
ぽん、と外に飛び出した二匹のモンスターはふわふわと漂いながら
「じゃあ早く行こうよー。アズールが言っていたお店屋さんごっこ、早くしよー」
「どんな物を作るか決めてるんですか?」
「うん、デザインは選べないみたいなんだけど」
地図を開き、アズールは方向を頼りに歩き出そうとするが、すぐに二匹に止められた。
「何?」
「帽子!」
「被らないとだめですよ」
「ええ……」
リュックから麦わら帽子を引っ張り出してきたジェイドは、アズールの頭に被せると満足して、ふわふわと先導するように移動した。
「こっちですね」
「なんでお前達が知ってるんだよ」
「そういうものなんだよー」
ふわふわ漂う二匹の後を追いかけ、アズールは石畳のカラフルなメインストリートを通り抜け、少し静かな浜辺の桟橋にたどり着いた。
「……ここ?」
「から、更に海を移動してあの無人島です」
「無人島って、誰も人来ないじゃないか」
「そこを、アズールとオレらで頑張ってぇ、評判良くしたりして客を増やして」
「島のビーチに遊びに来る人達を増やすというのが今回のミッションです」
小さな尾びれをぴちぴちさせながら、二匹は空中で泳ぐようにアズールの前で上下にパタパタと動き、手元の端末を指差した。
「なんでモンスターのお前達がそんなこと出来るんだ……?」
「僕達はアズールの最初のモンスターですから」
「相棒ってやつ。ナビゲートモンスターの役割もあるんだよー」
そう言うものだろうか。
アズールは思った物の、手元の端末を開いてアイコンをタップしながらチカチカと瞬いている「サマーシーズンパス」を表示させた。
ぱん、と画面に紙吹雪が舞い、「アイテムをゲットしました」「期間限定機能がオープンしました」「ミッションが追加されました」と、通知が瞬く間に一気に表示されていき、プレゼントボックス入っていたアイテムを受け取ると、ジェイドとフロイドはぽんと水上モードになって桟橋の脇に飛び降りた。
「さ、アズール。僕の背中に乗ってください」
「えー、この間もジェイドだったじゃん」
「フロイドは気まぐれにひっくり返りそうだから、溺れない場所でしてください」
アズールの一言に、ぷーっと不満げに膨らんだフロイドは、ぱっと小さくなってアズールの腕にしがみついた。
「じゃあオレアズールと一緒に乗る」
「え、自分で泳いでくださいよフロイド」
ジェイドが不満、という様子で尾びれをパタパタとさせるが、良いからさっさとしてくださいとアズールに言われると、しょうがないですね、と海の上を滑るように移動し始めた。
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